アップルの2013年度第2四半期決算発表 好調のiPhone&iPadに対しMacの販売が鈍化【デジ通】


アップルが2013年度第2四半期の決算を発表した。2013年1月から3月の決算でiPhoneは過去最高の販売台数の3740万台販売。iPadも過去最高に迫る1950万台販売した。

純利益は95億ドルと100億ドルに迫るものの前年同期を下回った。ただ、資本還元プログラムも拡大しアップルの業績自体は好調と言える。しかし、いままで二桁成長を続けていたMacの販売台数の伸びが鈍化してしまったようだ。■独り勝ちに近かったMac
世界市場でのパソコンの成長率は以前から頭打ちになりつつあったが、その中でもアップルのMacだけは二桁成長と好調な成長率を示していた。しかし、2012年ころからアップルのMacの成長も鈍化してしまったようだ。

具体的には2012年10月から12月のMacの販売台数は406万台。2013年1月から3月は395万台と約11万台落ちている。これだけなら季節的な要因も含まれるので、前年同期で比較すると2012年1月から3月は402万台なので、同時期で比較しても約7万台の減となる。

アップルの場合、新製品の提供時期によっても販売数は変動するため1年間通してみると、2011年4月から2012年3月までは1806万台だったが、2012年4月から2013年3月までは1686万台と120万台の減となる。

これだけなら、多少減っただけにも思えるが、2005年から2011年までは一時的な減少はあっても平均すると20%の成長を続けていた。しかし、2012年の7月からはマイナス成長となっている。こうなると、新製品の投入時期や季節的な要因による一時的な現象とは言えないだろう。

今まではiPod、iPhoneやiPadの人気に影響し、Macの販売数も増えていたと言われていたが、iPhoneやiPadの販売数自体は順調に伸びていながらMacの販売がそれに追いついていない。

■ハイスペックモデルと低価格モデルの魅力の差
原因はMacの低価格モデルに魅力がないことだ。RetinaディスプレイのMacBook Proなどを見ると、Macの高性能モデルの魅力は大きく向上している。しかし、販売台数の増加に大きく影響する、より低価格のMacBook Airには大きなアップデートがないので、行き渡った段階で買い替えが進まないのだ。

OSが異なるがWindowsのUltrabookなど、競合製品のほうが競争が激化しているため低価格化も進み、スペックの割に安くなり、より魅力が向上しているのも影響しているかもしれないが、このあたりはさらなる分析が必要だろう。

Windows 8やUltrabookでアップル以外の各社もパソコンの販売増に向けて努力中だが、従来の延長上の製品ではパソコン市場自体を今以上に拡大するのは難しくなってきているように思う。このままでは低価格なAndroidタブレット等にどんどん市場を食われて行くだろう。PCには、さらなるイノベーションが必要になったと言っていいだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)] 

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